コラム

【コロリの草花だより】
vol.35 モクレンの花芽とCOP21パリ

「コロリの草花だより」第35回は、春に向けて花芽をふくらますモクレンにまつわる話です。


紅葉を背景にモクレンの花芽、あくびしてる?
2015年12月 鎌倉長谷寺


今年はどうやら暖冬らしい。エルニーニョが起きて海水温が上昇し、偏西風が蛇行して異常気象が頻発するという気象予報士の解説は、「春風桶屋」的な因果応報を連想して、何となしに人ごとのように聞こえる。とにかく二酸化炭素の排出を減らして地球の温室効果を弱めないと解決しないでしょう!とCOP21(気候変動枠組条約第21回締約国会議)パリに期待したいが、各国の足並みを揃えるのは大変そう。

暖冬の年は紅葉も遅れるのだろうか?12月になっても鎌倉長谷寺の紅葉はまだ十分に見応えがあったが、さすがにこの季節に咲いている花は見当たらない。小春日和にモクレンの花芽が膨らんでいるのが目立つくらいだが、それにしてもゴージャスな毛皮のコートを着込んでいる。春と勘違いしたわけではないだろうが、コートを一枚脱いだ花芽があった。中には花びら、ではなく薄い毛皮が見える。いったい何枚着込んでいるのだろう、相当な厚着らしいな。

桜の蕾も、チューリップの球根も、春に咲く花は寒い冬を体験しないと開花のスイッチが入らないそうだ。モクレンも元気に冬を越して、春一番に白い大きな花を咲かせてほしいものだ。暖冬予報が間違っても、そのコートを着てれば大丈夫。



プロフィール:田中晃二


通称コロリ。1947年長崎生まれ。教科書のデザインや女性誌『クロワッサン』のアートディレクションなどに関わる。2009年から2年間AZパリ支局に赴任。東北の渓流でイワナ釣り、里山や街の植物観察、旅行や俳句などが趣味。



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