vol.04 生命の樹、つながる想い【後編】

レポート

vol.04 生命の樹、つながる想い【後編】

木から葉、実に至るまで、あますことなく私たちに恵みを与えてくれるオリーブ。日本有数の生産地で知られる香川県の小豆島では、島の人々はどんな想いを抱きながらオリーブとともに暮らしを営んでいるのでしょうか。2回に分けてレポートします。今回は、オリーブに関するプロフェッショナルと、オリーブを活かして作品をつくる方々を訪ねました。


前編「vol.03生命の樹、つながる想い【前編】」はこちら


日本のオリーブオイルだからこそ、普段使いを

オリーブを栽培するかたわら、オリーブソムリエとして活動する堤祐也さん。「オリーブオイルをもっと身近に使ってほしい」と、小豆島産はもちろん世界中のオリーブオイルを扱う専門ショップ「i's life(イズライフ)」を営んでいます。

−−−島でオリーブオイル専門店をはじめたきっかけは何ですか。

海外を見渡すと、いろんなフレーバーオイルがあったり、オリーブオイルの楽しみ方がじつに多様。そういう使い方や楽しみ方を提案できる場所が島にもあればと思って。

オススメは小豆島産のオリーブとレモンを使った
レモンオリーブオイル。ケーキやスイーツにも合うそう

−−−小豆島のオリーブオイルの特徴は?

海外のオリーブオイルと違って、小豆島産オリーブオイルはやさしくマイルドな味わいが特徴です。特に醤油との相性は抜群で、肉じゃがや魚の塩焼きなど家庭料理にもよく合うんですよ。他にもそうめんのつゆに足してみたり。お客さんからレシピを教わることも多いです。


美しい島色にオリーブで染める


オリーブ色といえば、どんな色を思い浮かべますか?小豆島出身の染織家、高木加奈子さんの「オリーブ染め」はじつに多彩です。オリーブの若葉のような淡い薄緑から、やわらかな日だまりの黄色、明るい島の夕焼け色...。しかも、それぞれの色には「島日和」「春音」「島の空」など素敵な名前が付いています。


−−−この色はどんな風に生まれたんですか?

島で育ったオリーブの葉や間伐材を使って草木染めで染めています。初めてオリーブで染めたとき、白い布が黄色とカーキ色になって。あっ、小豆島の色だって思ったんです。以来、島の風景を思い描きながら何度も媒染液を工夫して、ようやくこの色にたどり着きました。

−−−工房では、オリーブ染めの糸を使った手まりもつくっているんですね。

色とりどりの「オリーブ島手まり」

「オリーブ島手まり」っていうんですけど、オリーブ染めならではの優しいペールトーンが人気で。わざわざ県外から来てくださる方もいるんですよ。オリーブ染めを通して少しでも島を知ってもらえたら。そんな想いで仲間たちと一針一針、ていねいに手づくりしています。

高木さんの工房『オリーブ染め工房 木の花』は、毎月1〜15日はギャラリーショップとして公開。高木さんの話を聞きながら、オリーブ染めの魅力に触れることができます。

木の生命を削り出していく



島の幹線道路から少し山道に入ると、木立の中に小さな小屋が見えてきました。小鳥の声とお気に入りの音楽をBGMにオリーブを削っているのは『小豆島自然工房56』の天達慶隆さん。山の仕事のかたわら、あたたかみのある木の小物をつくっています。

−−−オリーブのカトラリーをつくりはじめたきっかけは何ですか?

オリーブの剪定材が捨てられているのがもったいなくて。削って磨いてみると、すごく美しい木肌が出てきたんです。木にもそれぞれ個性があってね。そこにひと手間生命を吹き込ませてもらう。そんな想いでつくっています。だからひとつとして同じものはつくれない。

木と語り合うように削ってつくられたスプーンは
ひとつひとつ風合いが異なる


−−−設計図もなく、木と語り合うように、あるがまま、感じるままに削っていく...。ころんと丸みを帯びたフォルムに触れていると、やさしい気持ちになれるから不思議ですね。

何かをつくろうという意図が先にあるのではなく、ただただ無心で削る。木を削ることで自分も癒されているんだと思います。木や自然に感謝しながらね。



−−−話を伺った小豆島のみなさんは、それぞれ「生命の樹」とも呼ばれるオリーブがもたらす恵みに感謝しながら、自然体で暮らしていました。私たちにとっての地域や自然との向き合い方への、ヒントになるかもしれません。


取材協力:
i's Life(イズライフ)
〒761-4122 香川県小豆郡土庄町渕崎1956-1
tel:0879-62-9377
営業時間:10:00〜18:00(月曜定休)
Website:http://islife-olive.com/

オリーブ染め工房 木の花(このはな)
〒761-4432 香川県小豆郡小豆島町草壁本町439-1 tel:0879-82-5991
営業時間:毎月1日〜15日 10:00〜17:00
     (※16日〜月末は制作作業のため休み)
Website:http://www.olive-konohana.com/

小豆島自然工房56
お問い合わせは取扱店「うみねこかしや」まで。
〒761-4421 香川県小豆郡小豆島町苗羽甲1422-1
tel:0879-82-4838
営業時間:11:00〜18:00(※金土日のみ営業)
Website:http://neko3biki.exblog.jp/

聞き手・テキスト:「せとうち暮らし」編集長 小西智都子  撮影:水野聖二

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